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手のひらから出る手汗が気になっている方はいずれ「手掌多汗症」という言葉にたどり着きます。
手掌多汗症とはいったいどういう症状で、どのような治療法があるのでしょうか。
以下にまとめました。

手掌多汗症とは

手掌多汗症(しゅしょうたかんしょう)は文字通り、手のひらに発生する多汗症です。
多汗症というのは額や足、腋の下、手のひらに人よりも多く汗が出る症状であり、その原因は不明とされています。

原因

手掌多汗症になる原因は不明ですが、汗が分泌される原因は判明しています。
人間は暑い時、緊張した時、辛い物を食べた時にそれぞれ自律神経の交感神経が作用して発汗するように体が出来ていますが、このそれぞれに対して過剰に反応してしまうことで多汗症を発症するわけです。

たとえば少しの体温の変化、少しだけ緊張しただけという状態でも発汗するといったような感じです。

3段階のレベルについて

手掌多汗症にも目安として3段階のレベルがあり、以下のように分けられています。

レベル1:湿っている程度。見た目にはわかりにくいが、触ると汗ばんでいることがわかる。水滴ができるほどではないが、汗がキラキラと光っている。

レベル2:水滴ができているのが見た目にもはっきりとわかる。濡れている状態。しかし汗が流れるところまではいかない。

レベル3:水滴ができて、汗がしたたり落ちる。

引用元:手掌多汗症-胸腔鏡による胸部交感神経遮断術-

手が汗で湿って困るという程度の人もいれば、手のひらから汗がしたたり落ちて日常生活にも支障をきたしている人までいるわけですね。

そのレベルによって有効な治療方法も異なってきます。
特にレベル3であれば病院での診療を受けたり、治療方針について相談をするようにするのがおすすめです。

多汗症は精神的なものと決めつけて精神科の受診をすすめられる場合もありますが、まずは皮膚科を受診するようにしましょう。

治療法

手掌多汗症の代表的な治療方法は以下になります。
それぞれの治療にはメリットとデメリット(リスク)が存在していますので参考にしてみてください。

自分の手汗レベルに合わせて適切な治療方法を選べるようにしたいところです。

制汗剤

手汗治療で最も手軽かつ有名な方法が手汗用の制汗剤です。
パウダータイプ、クリームタイプ、スプレータイプとさまざまなものがあり、価格もそこまで高価ではなく、気軽に試せるのが魅力です。

メリット

手汗用制汗剤最大のメリットは「気軽さ」だといえるでしょう。
購入すれば自宅で自分だけで試すことが出来ますし、肌に合わないなどがあれば「辞める」という選択を取ることも可能です。
そのうえで他の治療法に比べて費用も安いため、効果があってもなくてもあまり痛手にならないところは嬉しいですね。

デメリット

手汗用制汗剤のデメリットは、手汗レベルが高い人には効果が薄く、治療効果の感じ方に個人差があるというところでしょう。
多くの手汗用制汗剤には塩化アルミニウムのように手のひらの汗腺を収れんさせる作用をもった成分が含まれています。

日本で製造販売される手汗用制汗剤の場合、この成分量を多くすることができません。
つまり、外国製品に比べて安全である代わりに効果も薄いということを意味しているのです。

安全であるといっても敏感肌の方にしてみたら肌トラブルの原因ともなる成分ですので、使用して何か問題があった場合にはすぐに辞めることをおすすめします。
ちなみに通販アイテムの場合、肌に合わない方を想定して「初回無料」や「返品、全額返金」というキャンペーンを行っている商品も少なくありません。

手術

手汗に悩んでいると「外科治療でどうにかなるのではないか」という考えに至ることもあると思います。
現にETS手術・ETS療法という方法によって手のひらの汗を完全に止めることが可能です。

ETS手術は胸腔鏡下交感神経節遮断術のことで、神経ブロックによって汗の分泌を止めるものです。

メリット

ETS手術のメリットは前述の通り、手のひらの汗を完全に止められることです。
現時点において手汗を完全に止める方法はこれ以外には存在しません。

国際交感神経外科シンポジウムにおける国際学会の発表においても効果的な方法として紹介されています。

近年においては低位交感神経遮断術という方法によって「すべての交感神経を遮断しない」ことで手汗をある程度残すことが薦められています。

また、発汗が激しい場合にのみ、健康保険が適用されるという点もメリットかもしれません。

デメリット

逆にデメリットとしては「手汗が完全に止まってしまうこと」が挙げられます。

手汗に悩んでいたのだから、完全に止まってくれることは喜ばしいことと思うかもしれません。
ですが、実際には手汗のおかげで手のひらは保湿されていたりと、悪いことばかりではなかったんですね。

現にETS手術で手汗を止めた方の中には手のひらの保湿力がなくなってしまったことで後悔されている方もいます。
また、患者さんの中には代償性発汗という手のひら以外の部分からの汗の量が増える後遺症に悩まされている人も多いです。

手術は一回にかかる費用も高いうえに、やり直しがきかないという点もデメリットであるといえるでしょう。

やり直しができるクリップ法という方法も存在しますが、やり直しが前提の方法であることから効果が弱かったり、やり直す際にどうしても交感神経を傷つけてしまいがちだったりと、あまりお勧めできる方法とは言えません。

内服薬

手汗を止めるための内服薬も存在しています。
プロバンサインという神経遮断薬が有名で、手汗の分泌を伝える神経伝達物質であるアセチルコリンの働きを抑制するため、抗コリン薬と呼ばれているものです。

メリット

神経伝達物質の働きを抑制することから、交感神経からの発汗の命令があったとしても汗腺までその命令が届かなくなります。
結果的に汗が分泌されなくなるため、手汗を止められるわけです。

しかも即効性があり、普段から持ち歩くことで「いつでも手汗を止められる」という自信から精神的な余裕が生まれ、手汗をかきにくくなるといったメリットも挙げられます。

また、何か問題があった時には「飲まない」というだけで辞められる保存的治療である点もメリットですね。

デメリット

問題は日本においてはまだ抗コリン薬の市販が認められていないことです。
医師の診断次第で処方してもらえるものですが、担当医からNGが出れば使わせてもらえません。

そもそも手汗は軽度な悩みととらえられることが多く、悪い医師に当たってしまうと処方をしてもらえない可能性もあり、ハードルが高い方法と言えます。

海外からの並行輸入品を使うという方法もありますが、この場合は価格が跳ね上がってしまう点がデメリットです。

ボトックス注射

美容外科、美容皮膚科、美容クリニック、または形成外科においてはボトックス注射によって手汗を止める方法もあります。

メリット

ボトックス注射の場合、ETS手術とは違って期間限定で手汗を止めることになるため、辞めたいと思った時には辞められるとうのがメリットになります。
現在手汗の悩みを抱えている方からすると「辞めたいと思うはずがない」と考えるかもしれませんが、実際に手汗が止まった際の感覚を知っておくのは重要です。

デメリット

デメリットは期間限定なので何度も施術しなければならない点、費用が高い点、痛みが強い点が挙げられます。

イオントフォレーシス

微弱電流の流れた水道水に手のひらをつけるだけ、という治療方法がイオントフォレーシスです。
初期手汗治療において医師からも進められる方法の一つです。

メリット

微弱電流の流れた水道水に手のひらをつけるだけなので、副作用がありません。安全です。
水素イオンが汗腺に働きかけて、実際に汗を止めてくれる効果が実証されています。

また、手術などに比べると非常に安価な治療法なのもメリットですね。

デメリット

根本から手汗を治す方法ではないので、定期的な通院が必要になります。
通うのが面倒な人や、根本から治したいと思っている人には欲されない方法とも言えます。

ツボ押し

手汗の治療法として、東洋医学から発展したツボ押しを推奨される方もいます。
ツボは正しく理解して押していくことで症状の改善が見込めるものですが、安易に選んでよい方法とも言えません。

メリット

自分でやれば「いつでもできる」ということ、「お金がかからない」ということがメリットになりますね。

デメリット

問題は素人が安易にツボ押しを行う事で、予期せぬ事態を招くかもしれないということです。
特にどのあたりをどれぐらいの強さでなんかい押すのか・・・ネットだけではわかりません。

こういった部分がツボ押しのデメリットと言えます。

もし手汗に悩んでいたらオススメしたい制汗剤3選

手汗に悩んでいるものの、どの制汗剤にしたらいいのか悩んでいる方は、とりあえず以下3つの制汗剤を参考にしてみてください。
それぞれ配合されている成分と商品のタイプが違うので自分の手汗レベルや使うシーンに適したアイテムを選ぶようにしましょう。
制汗剤は手術などとは違い、比較的簡単に手汗の悩みから解放されるためおすすめです。

強い制汗作用が欲しい人向け「デトランスα」

手汗に強い制汗効果を表す、塩化アルミニウムを配合したデンマーク製のローションタイプの手汗用制汗剤です。
塩化アルミニウムは強い効果がある反面、肌荒れなどの副作用が起こる可能性も高いため、日本人向きではないという声も。

公式サイトからの購入で初回分が多少安価に購入することができますが、2回目以降は通常価格での購入となり、並行輸入品ということもあって高額になります。

それでも、肌に負担がかかったとしても強い効果を期待したいという方にはオススメの商品と言えます。

初めて制汗剤を使う人向け「CORKL(コルクル)」

手汗に悩んでいる人のための化粧クリームです。
リニューアルをして肌に対してのやさしさを追求した化粧品になりました。

肌への刺激が少ないように使用成分を厳選、サラサラの肌触りを体感できるように作られているため初めて制汗剤を使う人にオススメです。
(肌への優しさを最優先にしているため消臭成分などは撤去されています)

現在はAmazon、楽天、Yahoo!ショッピングでの販売になっています。

気になる時に手汗を止めたい人向け「farine(ファリネ)」

パウダータイプの手汗用制汗剤です。
ネット通販系の制汗剤においてはかなり知名度が高い商品といえます。

有効成分ACHが手のひらの汗腺を塞ぐことで手汗を止めることができるというもの。
パウダータイプなのでベビーパウダーのように使うことが可能です。

効果は1~2時間と短いため、一日のうちで手汗が気になるシーンの直前に使用するぐらいがちょうどいい方にはオススメです。
公式サイトからの購入で30日間の返金保証が得られるメリットがあります。